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話をドンドン展開するスレ。【一人一文】
- 1 名前:三上佑介。 :02/07/24 00:34 ID:???
- 昔昔、エロ河童ことサダキヨがいました。
- 2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:37 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは女の子といいことしたくてしかたありません。
- 3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:38 ID:gbC6sWhJ
- しかしサダキヨは河童だったので女の子に相手にされませんでした。
- 4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:39 ID:gbC6sWhJ
- どうしたらいいだろう? サダキヨは考えました。
- 5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:39 ID:gbC6sWhJ
- そうだ、女の子を河童にしてしまえばいい!!
- 6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:39 ID:???
- 悔しいサダキヨは「ともだち」と名乗り悪さをするようになりました
- 7 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:40 ID:???
- >>2-5
一人一文
- 8 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:40 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは村一番の娘、サチに目を付けました。
- 9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:45 ID:???
- 村一番とは村市場の間違いでした。
- 10 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:45 ID:gbC6sWhJ
- 「おうい、サチよ。こっち来て遊ばねえかぁ。水がひゃっこくて気持ちええぞう」
- 11 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:47 ID:gbC6sWhJ
- 「いやじゃ。冷たすぎて心の臓が止まる」
- 12 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:47 ID:???
- (いろんな意味で)目がはなせません。w
- 13 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:48 ID:gbC6sWhJ
- 「じゃあ、河原で石拾いでもしねえかぁ。きれいな石がたぁんとあるぞう」
- 14 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:51 ID:gbC6sWhJ
- 「いやじゃ。苔むした石がぬるぬるして好かん」
- 15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:53 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは困り果てました。このままでは、サチの尻子玉を抜いて河童にすることができません。
- 16 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:55 ID:gbC6sWhJ
- サチがなにを言っても誘いに乗らないので、サダキヨは兄貴に相談することにしました。
- 17 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:56 ID:gbC6sWhJ
- 「兄貴、かくかくしかじかと言う訳じゃ。どうしたらええんじゃろ」
- 18 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:57 ID:gbC6sWhJ
- 「そうさなあ……」
- 19 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:58 ID:gbC6sWhJ
- 「尻子玉が抜けねば、おまえが人間になるしかないな」
- 20 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:58 ID:???
- がんがれ!!サダキヨ!
- 21 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 00:59 ID:gbC6sWhJ
- 「えっ、おいらが人間に! ど、どうすりゃええんじゃ?」
- 22 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:00 ID:gbC6sWhJ
- ここで兄貴はいたずら心を起こしました。勝手気ままなサダキヨに、少しお灸を据えてやるつもりでした。
- 23 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:02 ID:???
- やめろ!兄貴! 騙されるな、サダキヨ!!
- 24 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:08 ID:???
- 「まず、背中の甲良がまずい。ウナギの脂に唐辛子を混ぜて、少しづつ甲良の隙間に塗り込んでいけ。そのうちとれる」
- 25 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:12 ID:p4F9X88s
- 「そして川から離れた所にある丘の上で三日間、オテントサマにおまえの頭の皿を晒して来い。」
- 26 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:16 ID:gbC6sWhJ
- 「それができたら次は頭の皿だ。てっぺんに毛が生えていないのは、これもまずい。
水掻きをとって皿にはれ。三日三晩手で押さえて、人間の神様に毛を生やしてくださいと祈ったがいい」
- 27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:17 ID:???
- 兄貴残虐すぎる…!!!そんな事をしたら背中がヒリヒリしちゃうじゃんか!
- 28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:18 ID:???
- サダキヨ死ぬ!!
- 29 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:25 ID:mWu6PEcN
- そして少女は赤い靴を履いて教会に行くのでした
- 30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:25 ID:gbC6sWhJ
- 「最後に肌の色だ。溶いた赤土を全身に塗ったくってから、
大木の下でそれが乾いてはげ落ちるまでじっと我慢しろ。
それが終わればおまえは人間だ」
- 31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:28 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは兄貴の言うことをバカ正直に聞きました。
兄貴の方は、サダキヨが最初のウナギで挫折すると思っていたので、それほど本気にはしていませんでした。
- 32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:28 ID:???
- 少女?!少女まで出てくるのかよ…!!サダキヨはどうなるんだ?!サチとは別人だよな?!
- 33 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:31 ID:???
- …サダキヨは漢の中の漢!!!漏れには絶対に真似できない…!
- 34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:31 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは早速ウナギを取りに行きました。さすが河童だけはあって、ウナギはすぐに捕まりました。
が、入れ物がありません。サダキヨは考えました。
- 35 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:34 ID:gbC6sWhJ
- 村の中から瓶を持ってこよう。
人はそれを泥棒と呼ぶのですが、サダキヨは気にしませんでした。
- 36 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:37 ID:???
- サダキヨ!騙されてるんだ目を覚ませ!!
- 37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:38 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは日が暮れてから、ある一軒の家に忍び寄りました。
そこにはサチの一家が住んでいたのですが、サダキヨには分かりません。
- 38 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:40 ID:???
- やめろ!サダキヨ!そこはサチの家だ!!!!気付け!
- 39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:41 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは自分の腰くらいの水瓶を探しだし、ばれないように持ち出しました。
ついでに、軒先にあった赤唐辛子の束も一掴みとってきました。
- 40 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:44 ID:gbC6sWhJ
- 早速そこにウナギを入れ始めます。捕まえては投げ入れ、捕っては入れ、捕っては入れ……
あっという間にウナギで満杯になりました。太く大きなウナギばかりで、たっぷり油がとれそうです。
- 41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:47 ID:gbC6sWhJ
- 赤唐辛子をちぎって瓶の中に入れ、よくもむと、ウナギの脂がべっとりと手に付きました。
サダキヨは河童の関節が柔軟なのをよいことに、甲良の隙間に次々と刷り込んでいきます。
- 42 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:47 ID:???
- ウナギ瓶…キモい!!サダキヨ犯罪者!
- 43 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:49 ID:???
- 遂にやってしまったか!!!!!!
- 44 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:50 ID:gbC6sWhJ
- そして異変に気づきました。背中が熱いのです。しかしサダキヨは続けました。
そうしているうちに、雄鳥が朝一番を告げ始めました。
- 45 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:53 ID:gbC6sWhJ
- 熱い! 熱い! 熱い! サダキヨは慌てました。もう夜が明けてしまいます。
今日のうちに瓶を元の場所に戻しておかないと、村人に警戒されてしまいます。
サダキヨは瓶にウナギを入れたまま、大急ぎでサチの家に引き返しました。
- 46 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:54 ID:???
- …サダキヨ!!!
- 47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 01:56 ID:???
- ちゃんと返すつもりだったのか!疑って悪かった、サダキヨ!!!
- 48 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:08 ID:gbC6sWhJ
- サチは、ごとごと言う音で目を覚ましました。何者かが家の外でごそごそやっているのです。
「誰?」と戸を開けながら声をかけると、その人はすごい早さで走り去っていきました。
- 49 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:08 ID:q1beCrjI
- 【今度は】今度はモナーを商標登録!!【バンダイ】
http://aa.2ch.net/test/read.cgi/mona/1026882784/l50
この暴挙を許すな!!
- 50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:10 ID:gbC6sWhJ
- サチは呆気にとられたまま見送りました。
ふとぴちぴちという音に気がつくと、なんと水瓶の中にウナギがぎっしりと入っているではありませんか。
サチはびっくりしました。
「ととさま、かかさま!」
- 51 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:11 ID:???
- サダキヨ俊足!100m13秒代でいける!!!
- 52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:14 ID:???
- サダキヨは良いことした!!!!バンダイ許せん!
- 53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:18 ID:gbC6sWhJ
- サチが叫ぶと、何事かと二親が出てきました。
二人とも今年はやった悪い風邪の病み上がりで、少しふらついていましたが、瓶の中身を見てびっくりしてしまいました。
サチが一部始終を話すと、「不思議なこともあるもんだ」と、しきりに首を傾げました。
それから村人全員にお裾分けして、その日、村人達はウナギを食べたのでした。
- 54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:20 ID:gbC6sWhJ
- サチは、ウナギを持ってきてくれた人が誰なのか、気になりました。
- 55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:20 ID:???
- サダキヨは神!
- 56 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:21 ID:???
- サダキヨだ!サダキヨ!
- 57 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:23 ID:gbC6sWhJ
- 一方のサダキヨはたまりません。脂を刷り込んだ背中が燃えるように熱いのです。
しかし我慢しました。これも人間になるためです。
次の日、サダキヨはまた同じ事をしました。その次の日もしました。
その次の日の事でした。
- 58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:25 ID:gbC6sWhJ
- 熱い、熱い熱い熱い!
痛い!!
ポロッ……
なんと、甲良がとれてしまいました。
- 59 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:27 ID:???
- !!!!!!
- 60 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:28 ID:???
- サ ダ キ ヨ ーーーーーーーーー!!!!!!!!
- 61 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:29 ID:gbC6sWhJ
- やったーーーーーーー!!
まずは第一段階成功です! サダキヨはうれしさのあまり飛び跳ねました。
そしてもう用済みになった瓶をサチの家に帰しに行きました。
ついでに、とれた甲良も一緒においてきました。サダキヨにはもう必要なかったのです。
- 62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:30 ID:???
- 痛くないのか?!サダキヨ!!!
- 63 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:39 ID:gbC6sWhJ
- サチは、またごそごそいう音で目を覚ましました。一言お礼が言いたくて、そっと扉に忍び寄ります。
「もし、あなた様は毎晩ウナギを瓶に入れてくれるお人ですか?
おかげで父も母も、村人皆が元気になりました。なんとお礼を言っていいのか……」
サダキヨは、そこで初めてそこがサチの家だったと気づきました。
サチに嫌われたくなかったので、戸が開いていないのを幸いに、なにもしゃべらず逃げ出しました。
- 64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:42 ID:???
- サダキヨ!その気持ちワカル(゚∀゚)!!
- 65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:49 ID:gbC6sWhJ
- サダキヨは川の水を頭からかぶっていました。冷たい水が火照った背中をそっと拭います。
サチのことを考えていました。サチの瓶を勝手に使った自分に、サチは怒るどころかお礼を言ってきました。
サダキヨは村人に悪さをしては怒られるばかりで、その気はなかったとはいえ、お礼を言われたことなどありませんでした。
サダキヨは、サチがますます好きになりました。
- 66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 02:53 ID:gbC6sWhJ
- 今夜はここまでにしたいと思います。
スレジャックみたいな形になってすいませんでした。
でも即興でも以外と何とかなるもんですねえ。
- 67 名前:サダキヨを応援するスレ :02/07/24 10:38 ID:???
- がんがれ!サダキヨ!
- 68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 22:30 ID:???
- さて次の日、サダキヨは人間になるため、兄貴の言葉を思い出しました。
人間の神様にお祈りをしようとしましたが、人間の神様がどこにいるのか知りません。
- 69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 22:34 ID:???
- 村人に尋ね歩くわけにも行かず、夜を待って辺り一帯を走り回りました。
そして田圃の真ん真ん中に、小さなお稲荷さんを見つけました。
- 70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 22:40 ID:???
- サダキヨはさっそく境内に入り、小さなほこらに向かって訪ねてみました。
「おうい、人間の神様。一生懸命祈るから、どうかおいらを人間にしてくれぇ」
- 71 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 22:44 ID:???
- そのときほこらの裏側には、年老いた古狐が大あくびをしていました。
不意にサダキヨの声を聞き、びっくりしてそっと下からのぞきます。
一匹の河童が人間にしてくれと頼んでいました。そこで古狐は言いました。
- 72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 22:55 ID:???
- 「お門違いや。なーんのお供え物もないのに、なんで頼みを聞いてもらえると思った?」
「えっ、なんぞお供え物が必要なんか?」
「そんなもん自分で考えぇ」
- 73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:00 ID:???
- 狐はそこでそっぽを向きました。もし河童が何か食べ物を持ってくればよし、そうでなくてもだめで元々です。
もちろんお供え物を食べ終わった後にサダキヨの願いを叶えるつもりなんかこれっぽっちもありませんでした。
河童を人間にするなんて、そんな力は狐にはなかったのです。
- 74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:12 ID:???
- サダキヨは困りました。普通、お稲荷さんにはいなり寿司なのですが、河童のサダキヨにそれは思いつきませんでした。
「魚じゃだめかのぅ?」
「歯がだいぶ抜けておるから、柔らかいものがええな」
「キュウリはどうじゃ?」
「それはおまえが食いたい物やろう」
- 75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:19 ID:???
- 「わかった、また明日来る」
お稲荷さん(のふりした古狐)が欲しがるお供え物がわからないサダキヨは、再び兄貴に相談しようと思いました。
しかし兄貴は、かわいい河童の女の子とお出かけしていて、留守だったのです。
兄貴に相談できないサダキヨは、途方に暮れました。
#74と73は入れ替えて呼んでください。
- 76 名前:サダキヨを応援するスレ :02/07/24 23:27 ID:???
- ―がんがれ!サダキヨ!!いなり寿司だ!
- 77 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:33 ID:???
- ふと気づくと、サチの家の近くに来ていました。
このところ、逃げてばかりでサチの姿を見ていなかったので、一目みたいと思いました。
しばらくして、サチが何かを持って出てきました。
それをウナギの描かれた木片とともに軒先につるし、辺りを見回して家に入っていきました。
- 78 名前:サダキヨを応援するスレ :02/07/24 23:36 ID:???
- ― サ ダ キ ヨ と サ チ は お 似 合 い 。 くっついてくれ!!!
- 79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:42 ID:???
- サダキヨは夜になり、家の明かりが消えたのを確かめ、そっと近づいていきました。
それはなにかがたっぷり詰まった大きなひょうたんでした。サダキヨは考えました。
これはウナギのお礼なのだろうか? 貰ってしまってもよいのだろうか?
木札の裏には、御礼と書かれています。しかしそれはサダキヨには読めませんでした。
- 80 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:47 ID:???
- 表にはウナギが描かれていたので、何らかの関係はあるものと思えました。
サダキヨはまず木札だけを持って、お稲荷さんへ急ぎました。
「人間の神様! 神様なら学があるじゃろう。これ、なんて書いてあるか教えてくれ」
古狐はよく目が見えなかったので、もっと札を近づけるように言いました。
- 81 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/24 23:54 ID:???
- 「御礼と書いてあるな。ありがとうという意味だ」
「ありがとうか。そうか! 一緒にひょうたんが吊してあったが、あれは貰っていいのか?」
「そのありがとうがおまえに向けられたものならな」
「そうか……神様、教えてくれてありがとう」
古狐はありがとうと言われて、なんだか照れくさくなりました。
- 82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:01 ID:???
- サダキヨはサチの家にとって帰し、ありがたくひょうたんを手にしました。
栓を抜いてみると、お酒のにおいがぷんと漂ってきます。村人には滅多に飲めないようなよいお酒です。
少しなめてみると、あっという間にいい気持ちになってきました。
これは神様も喜ぶ。
サチのくれたものだと思うと、惜しくなって少し飲んでしまいましたが、これをお供え物にすることにしました。
- 83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:08 ID:???
- 早速お稲荷さんに持っていくと、遠くからお酒のにおいをかぎつけた古狐は、たいそう喜びました。
「これこれ、こういうものよ」
古狐は久々に変身し、ひげの爺様の姿になってほこらの上の方から降りてきました。
「神様、これをお供えします。だからおいらを人間にしてくれよな」
「おお、わかった、まかせろ!」
古狐は安請け合いして、さっさとひょうたんをひったくってしまいました。
- 84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:16 ID:???
- 古狐は煙とともに姿を消し、ほこらの後ろでお酒をなめなめ、底意地の悪い笑い方をしました。
間抜けのサダキヨがどうするのか見物してやろうと思ったのです。
サダキヨは、兄貴に言われたとおり、水掻きを取り始めました。
ビリッ、ビリッ、ブチッ……
素手で自分の水掻きを引きちぎるあまりにも痛そうなサダキヨの様子に、古狐は目をまん丸くして見ていました。
こいつはとんでもないことをしてしまったのではないか。
- 85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:25 ID:???
- やがてサダキヨは両手両足の水掻きを取ると、それを頭のさらに張り付け始めました。
全部張り終わると、両手でしっかり押さえます。そのまま微動だにしません。
古狐は時間がたつごとにそわそわしてきました。ついにたまらなくなり、また爺様に化けてサダキヨの前に現れました。
「これ、河童。そんなにしてまで人間になりたいのか?」
「そうだ、神様。もうおいらには甲良もない。どうしても人間になりたいんだ」
- 86 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:30 ID:???
- 「そうか……で、その方法は河童に伝わっているものなのか?」
「そうだ。兄貴が言っていた」
古狐は、自分が神様でないことを言ってしまおうかと思いましたが、ただでお酒を手に入れて、お礼を言われて、
それなのにこんな痛い思いをしているサダキヨの人間になる行動を邪魔しているのが、さすがに後味悪くなってきました。
- 87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:35 ID:???
- 「どれ、手足を出せ」
傷だらけの手足に、先ほどのお酒を振りかけました。
サダキヨは痛がりましたが、消毒の意味もあったので、古狐は無視して続けました。
「ちっと待っとれよ」
そう言うと、古狐はまた煙とともに消えてしまいました。サダキヨは頭を押さえ続けました。
- 88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:44 ID:???
- 古狐は、薬売りを探しました。年に数回しかこの村にはよらないので、たぶん見つかるまいとは思っていました。
そこで、庄屋の屋敷に忍び込んで、ガマの油をちょいと失敬するつもりでした。
しかし古狐は、時季はずれなのに行李(こうり:旅行用の荷物入れ)を背負った男を見つけました。幸いです。
少し先回りをして、妙齢の女性に化け、おなかを押さえてうずくまりました。
- 89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:48 ID:???
- 男はまんまと古狐に声をかけました。
「もし、どうなされた」
「持病の癪(しゃく)が……」
「そいつぁいけねえ。さすってあげましょう」
男はすかさずすけべ心をおこし、古狐に近づきました。
- 90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:53 ID:???
- ええ、ありがとう。
そう言って振り返った女の顔は、のっぺらぼうでした。男は肝をつぶし、へたり込みました。
古狐はさっと行李に近づき、品物を持ち出そうとしました。
たばこやでした。
- 91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/25 00:54 ID:???
- >76>78
ありがとう。
今夜はつらいのでここまでにします。
- 92 名前:さく・え/ななし :02/08/12 18:26 ID:???
- 続きは?
- 93 名前:さく・え/ななし :02/08/18 00:28 ID:64S0KRro
- あ、忘れてた。
明日から書きます。
あんま需要ないとおもうけど。
- 94 名前:さく・え/ななし :02/08/23 23:54 ID:???
- おもしろいので あしたにきたいです
- 95 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:07 ID:???
- やっとこ時間がとれた……
続きいきます。
- 96 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:14 ID:???
- 「なんじゃい、たばこ屋かい。臭くてかなわんのう」
古狐は元の姿に戻り、走り始めました。
やがて庄屋の屋敷が見えてきました。明かりはついておらず、皆眠っているようです。
「さて、どうやって忍んだものか……」
- 97 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:18 ID:???
- 狐は考えました。
門は閉ざされ、塀は高くてとても上れません。忍び込むことは難しそうです。
そうだ、忍び込むのが難しいなら、どさくさに紛れてしまえばよい。
「火じゃな」
- 98 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:23 ID:???
- 古狐は急いでたばこ屋の元にとって返しました。火打ち石と火縄を失敬し、屋敷に戻ります。
人間に化け、いくつもにちぎった火縄に火をつけながら、次々と屋敷に放り込んでいきます。
あんまり大火になっても困るので、うっすら煙が出てきたところで門をドンドンたたきました。
「庄屋様、大変だ! 火が出とる!」
- 99 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:34 ID:???
- 「うるさいのぅ。誰じゃこんな時間に」
下男が門を開けると、見知ったような見知らぬような男が、火事だ火事だと騒いでいました。
ふと見ると煙が出ています。
「あっ! 大変だ!」
庄屋に知らせにいった下男を後目に、古狐は素早く屋敷に入り込みました。
- 100 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:42 ID:???
- 皆が総出で火を消している間に、古狐はガマの油を探しだしました。
小さな壺に入っていたので、それごと持ち出しました。
脱出するために雨戸を開けると、予想以上に火の手が回っており、村人達が続々と集まってきていました。
「こりゃまずい」
井戸から火もとまで村人達が並び、もう水の入るものならなんでもという感じで、次々と手渡ししていました。
- 101 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:48 ID:???
- そんななか、壺を持ってどこかに行こうとしている男は目に付きます。
「おい、おまえも手伝え!」
古狐は言うことを聞かずに、火の手の向こうの門に向かって全力で逃げ出しました。
元の姿に戻り、ガマの壺をくわえて走りましたが、火の手は強く、しっぽの先を焦がしてしまいました。
- 102 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:56 ID:???
- 「きゃっ」
古狐は門を出ようとしたところで、一人の女の子にぶつかりました。
サチでした。
勢いよくぶつかったので、壺は転がり、古狐は少し目を回しました。
「いたぁ……なんじゃろ。きつね?」
- 103 名前:さく・え/ななし :02/08/24 22:59 ID:???
- 古狐はすぐさま目を覚ましました。
「あっ、待ちな」
サチの手をかいくぐり、壺をくわえて走ります。
サチは狐のしっぽが煙を上げているのをしっかりと見ました。
- 104 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:04 ID:???
- 古狐はまず川に向かい、しっぽの火を急いで消しました。
「ちょいとした仏心のつもりがこの有様では、割に合わん。ま、ガマの油はワシにも役立つだろうて」
古狐は年老いて疲れていたので、よっこらしょ、と言いながらお稲荷さんに戻りました。
- 105 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:14 ID:???
- 「河童、待たせたな」
「お帰り、神様。神様なんだろ?」
「おう、そうじゃ。怪しまれなんだように狐に姿を変えてはおるがな」
別にばれてもかまわないくらい疲れて、投げやりになっていましたが、古狐は一応演技を続けました。
「その火傷はどうしたんだ?」
- 106 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:22 ID:???
- 「庄屋の屋敷が火事になってな。その上を通り過ぎたときに焦がした。これ開けてくれ」
古狐は鼻先で壺を押し出します。サダキヨは右手だけを使って器用に壺を開けました。
「そいつを頭と傷の部分につけるとええ。神薬じゃぞ。終わったらワシのしっぽにもつけてくれ。ひりひりしてかなわん」
サダキヨは古狐の言ったとおりにし、頭を押さえました。
- 107 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:28 ID:???
- 「これで三日三晩たてば、毛が生えてくるんだろう、神様」
知るかい、と古狐は思いましたが、お酒をなめなめ、適当に言いました。
「ああ、そうじゃ。しかし三日三晩、おまえは飲まず食わずで過ごすのか?」
「たぶんそうなるじゃろう。ずっと頭を押さえておらねばならんし」
「あほくさい。てっぺん押さえたまま普通に過ごせばいいじゃろう」
- 108 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:36 ID:???
- まあおまえも飲め、と、古狐はサダキヨに酒を勧めました。
「そう言えばまだ名前を聞いておらんな。なんという?」
「サダキヨと」
サダキヨは左手でてっぺんを押さえたまま、ひょうたんを受け取りました。
「ふぅん。ワシは野火坂の狐(のびさかのきつね)と人間に呼ばれたこともあった。本当の名は知らん」
- 109 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:51 ID:???
- 「神様でも知らないことがあるのか……」
「そりゃあるわい。それより、なんでおまえ、人間なんぞになりたがる?」
サダキヨはサチのことを話しました。
サチがサダキヨが見た中で一番かわいいこと。
村の女の子の中で(断られ続けましたが)自分の相手をしてくれたのがサチだけだったこと。
最初は助平目的で近づいたものの、訳も分からずお礼を言われて、悪い気はしなかったこと。
とどのつまり、サチのために人間になりたいのでした。
- 110 名前:さく・え/ななし :02/08/24 23:59 ID:???
- 「河童だからだめだったんだ。だから、人間になればサチもおいらのことを好きになってくれるに違いない!」
最後にそう、サダキヨは言い切りました。
野火坂は黙っていました。
果たして河童が人間になったからといって、そのサチという娘がサダキヨを好きになるかどうかは別問題だと思ったのです。
「……ま、河童よりかは人間の方がええ、かも、しれんのう。だが、大事なことを見落としとりゃせんか?
おまえが嫌われていたのは、おまえが河童だからなのかのう? よく考えた方がええぞ」
- 111 名前:さく・え/ななし :02/08/25 00:12 ID:???
- サダキヨは黙ってしまいました。
野火坂はひょうたんをひったくり、ちょっとあおいでから言いました。
「ま、時間はある。三日三晩でも、いくらでも好きなだけ考えるんだなぁ」
そのまま、ほこらの裏側に回って丸くなりました。しっぽの先もひりひりするし、とても疲れていたのです。
サダキヨは頭を押さえたまま、考え続けました。
そのまま、夜は更けていきました。
- 112 名前:さく・え/ななし :02/08/25 00:13 ID:???
- 今夜はここまで。
- 113 名前:さく・え/ななし :02/08/25 00:18 ID:XzHv2DOy
- よく考えたら一月ぶりだ(w
- 114 名前:さく・え/ななし :02/08/25 00:19 ID:???
- simatta
- 115 名前:さく・え/ななし :02/08/25 05:58 ID:???
- donmai
- 116 名前:<font color= ◆aKknksOQsI :02/10/26 17:39 ID:???
- .・
- 117 名前:山崎渉 :03/01/12 20:49 ID:???
- (^^)
- 118 名前:山崎渉 :03/01/23 04:27 ID:???
- (^^)
- 119 名前:さく・え/ななし :03/02/07 23:05 ID:???
- 気になってよんでます。
- 120 名前:p ◆y4QIwuqE22 :03/03/11 00:37 ID:???
- test1
- 121 名前:p ◆Ud1ux9SaM. :03/03/11 00:38 ID:???
test2
- 122 名前:p ◆Snz5yNYMYs :03/03/11 00:38 ID:???
- test3
- 123 名前:p ◆PJSodf/s7A :03/03/11 00:40 ID:???
test4
- 124 名前:p ◆jNriHyIdoU :03/03/11 00:40 ID:???
- aa
- 125 名前:p ◆fFlTRpB/mI :03/03/11 00:40 ID:???
- bb
- 126 名前:p ◆CLg0DyMlvY :03/03/11 00:50 ID:???
- f f
- 127 名前:p ◆3Bvyekijko :03/03/11 00:51 ID:???
kods
- 128 名前: ◆5CuU/bARBA :03/03/11 21:38 ID:???
- てす
- 129 名前: ◆5CuU/bARBA :03/03/11 22:07 ID:???
- test
- 130 名前: ◆7mBARBAp1s :03/03/11 22:07 ID:???
- matigatta.
kotti
- 131 名前:山崎渉 :03/03/13 16:18 ID:???
- (^^)
- 132 名前:さく・え/ななし :03/03/13 16:36 ID:dKiI1hVG
- サ〜ダ〜〜キ〜〜ヨ〜〜〜ォォォォ〜〜〜〜!!!
- 133 名前:山崎渉 :03/04/17 11:38 ID:???
- (^^)
- 134 名前:山崎渉 :03/04/20 05:43 ID:???
- ∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
- 135 名前:t-akiyama :03/05/27 23:19 ID:???
- 携帯ゲーム機"プレイステーションポータブル(PSP)
このPSPは、新規格UMD(ユニバーサルメディアディスク)というディスクを利用しており、そのサイズは直径6cmととても小さい(CDの半分程度)。 容量は1.8GBとなっている。
画面は4.5インチのTFT液晶で、480px x 272px(16:9)。MPEG4の再生やポリゴンも表示可能。外部端子として、USB2.0とメモリースティックコネクタが用意されているという。
この際、スク・エニもGBAからPSPに乗り換えたらどうでしょう。スク・エニの場合、PSPの方が実力を出しやすいような気がするんですが。
任天堂が携帯ゲーム機で圧倒的なシェアをもってるなら、スク・エニがそれを崩してみるのもおもしろいですし。かつて、PS人気の引き金となったFF7のように。
- 136 名前:山崎渉 :03/05/28 16:35 ID:???
- ∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
- 137 名前:山崎 渉 :03/07/15 10:14 ID:???
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
- 138 名前:山崎 渉 :03/07/15 13:29 ID:???
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
- 139 名前:山崎 渉 :03/08/02 01:56 ID:???
- (^^)
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